■はじまり
戸田幸四郎絵本美術館は1997年11月、静岡県熱海市上多賀の自然郷内に開館しました。
絵本作家・とだこうしろう(戸田幸四郎1931−2011)は山形県尾花沢市という東北の豪雪地帯の出身。温暖な気候の伊豆半島は大好きな場所で、度々、訪れていました。1982年に初の絵本『あいうえおえほん』を出版した数年後から、小さなアトリエを熱海に構え、創作活動の拠点とします。
10年近い月日が流れた1995年、幸四郎がアトリエの近所を散歩中に見つけたのが現在の絵本美術館となる場所。著名な料理研究家の別荘があったその場所には他にも食材となるような木がたくさん生い茂っていたそうです。
ちょうどそのころ戸田デザイン研究室では、絵本を読んでいただいている方々に原画も見ていただきたい、という思いから“絵本原画館” 的な構想を練りはじめていたこともあり、この計画が急加速します。
建築デザインから内装、カフェのメニュー作成まで戸田幸四郎自身が行い、熱海市や地域に関わるコマツゼネラルサービスの全面的な協力のもと開館いたしました。
■伝えたいこと
戸田幸四郎絵本美術館がまず来館者の皆さまにお伝えしたいのは「原画の力」。
印刷には印刷の味わいや魅力がありますが、原画から見える作者の筆づかい、色彩の美しさは格別です。見慣れたはずの絵本のイラストも、原画をご覧いただくことで新しい感動を味わっていただけます。
また戸田幸四郎は開館にあたり【生きとし生けるものの共生(自然との共生)】をテーマとしました。故郷・山形県尾花沢市の雄大な自然から、豊かな感受性や色彩感覚、そして生きとし生けるものの命の尊さを学んだ幸四郎が、生涯にわたり追求したテーマのひとつです。
子どもから大人まで来館されるお客さまが、光の温かさや緑の眩しさ、草花の美しさ、風の音や雨の音、虫や鳥たちのさえずりを感じる心を大切にしてほしい。
そんな願いを込めて幸四郎自身が建築デザインをはじめ、トータルで館全体をデザイン。緑溢れる庭や駿河湾を臨む絶景が楽しめるカフェテリアなど、自然の美しさを最大限に感じられる設計となっています。
■これから
1997年の開館以降、ご家族連れのお客さまから美術・デザイン関連の方まで、隠れ家的美術館として多くの支持を集めてきた当館ですが、近年では戸田幸四郎の作品が知育絵本のジャンルを超え、デザインや哲学の側面から再評価いただく機会もより多くなってきました。
そこで2021年12月、戸田幸四郎が残した思いやトータルのデザインはそのままに、4つのテーマの展示室に分け、より作家性や思想が伝わる美術館へと大規模な展示替えを実施。キュレーションを担当したのは、私たち戸田デザイン研究室です。
幸四郎の年代ごとの作品やプライベートスケッチ、もっとも影響を受けた実兄の洋画家・戸田吉三郎の作品も常設展示に加えました。
ご好評いただいている海を臨むカフェやここでしか買えないアイテムも揃うミュージアム・ショップ、貸し出し絵本のサービスも継続して行っています。
自然に囲まれた気持ちの良い美術館です。ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。
(余談ですが‥‥骨董商で古美術鑑定家の中島誠之助さんがご著書の中で
「日本に数少ない本物の個人美術館である」と評していただいていたのが、
スタッフの密かな自慢です!)
駐車場から入り口へ続く、こみち。
コンクリート打ち放しのシンプルな外観。中央から入ります。
ガラスの扉から入ると正面遠くには、海が!
左は『あいうえおえほん』の美しい原画。常設です。
この展示室は『昆虫とあそぼう』の原画です。
ここは、創作絵本を展示しています。
ミュージアムショップでは、戸田デザイン研究室のすべての作品を販売しています。ここでしか買えないグッズもあります!
トイレの案内も、もちろんデザイン。
相模湾を望む、絶景のカフェ。
コンクリートに映える、ロゴデザイン。
ガーデンが気持ちいい!貸し出し絵本を外で読むこともできます。
カエルの噴水。
体の模様がきれいなヘビ。
てんとう虫もいました!
■はじまり
戸田幸四郎絵本美術館は1997年11月、静岡県熱海市上多賀の自然郷内に開館しました。
絵本作家・とだこうしろう(戸田幸四郎1931−2011)は山形県尾花沢市という東北の豪雪地帯の出身。温暖な気候の伊豆半島は大好きな場所で、度々、訪れていました。
1982年に初の絵本『あいうえおえほん』を出版した数年後から、小さなアトリエを熱海に構え、創作活動の拠点とします。
10年近い月日が流れた1995年、幸四郎がアトリエの近所を散歩中に見つけたのが現在の絵本美術館となる場所。著名な料理研究家の別荘があったその場所には他にも食材となるような木がたくさん生い茂っていたそうです。
ちょうどそのころ戸田デザイン研究室では、絵本を読んでいただいている方々に原画も見ていただきたい、という思いから“絵本原画館” 的な構想を練りはじめていたこともあり、この計画が急加速します。
建築デザインから内装、カフェのメニュー作成まで戸田幸四郎自身が行い、熱海市や地域に関わるコマツゼネラルサービスの全面的な協力のもと開館いたしました。
■伝えたいこと
戸田幸四郎絵本美術館がまず来館者の皆さまにお伝えしたいのは「原画の力」。
印刷には印刷の味わいや魅力がありますが、原画から見える作者の筆づかい、色彩の美しさは格別です。見慣れたはずの絵本のイラストも、原画をご覧いただくことで新しい感動を味わっていただけます。
また戸田幸四郎は開館にあたり【生きとし生けるものの共生(自然との共生)】をテーマとしました。故郷・山形県尾花沢市の雄大な自然から、豊かな感受性や色彩感覚、そして生きとし生けるものの命の尊さを学んだ幸四郎が、生涯にわたり追求したテーマのひとつです。
子どもから大人まで来館されるお客さまが、光の温かさや緑の眩しさ、草花の美しさ、風の音や雨の音、虫や鳥たちのさえずりを感じる心を大切にしてほしい。
そんな願いを込めて幸四郎自身が建築デザインをはじめ、トータルで館全体をデザイン。
緑溢れる庭や駿河湾を臨む絶景が楽しめるカフェテリアなど、自然の美しさを最大限に感じられる設計となっています。
■これから
1997年の開館以降、ご家族連れのお客さまから美術・デザイン関連の方まで、隠れ家的美術館として多くの支持を集めてきた当館ですが、近年では戸田幸四郎の作品が知育絵本のジャンルを超え、デザインや哲学の側面から再評価いただく機会もより多くなってきました。
そこで2021年12月、戸田幸四郎が残した思いやトータルのデザインはそのままに、4つのテーマの展示室に分け、より作家性や思想が伝わる美術館へと大規模な展示替えを実施。キュレーションを担当したのは、私たち戸田デザイン研究室です。
幸四郎の年代ごとの作品やプライベートスケッチ、もっとも影響を受けた実兄の洋画家・戸田吉三郎の作品も常設展示に加えました。
ご好評いただいている海を臨むカフェやここでしか買えないアイテムも揃うミュージアム・ショップ、貸し出し絵本のサービスも継続して行っています。
自然に囲まれた気持ちの良い美術館です。ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。
コンクリート打ち放しのシンプルな外観。
中央から入ります。
ガラスの扉から入ると
正面遠くには、海が!
ここは、創作絵本原画の展示室。
『あいうえおえほん』の美しい原画。常設です。
ミュージアムショップ
海を望む、気持ちの良いカフェ。
ガーデンが気持ちいい!
カエルの噴水。