童謡画集2+CD
作・絵 とだこうしろう
ピアノ・編曲 小原孝 / 歌 川島由美
サイズ 22.5×21cm / 28ページ / 初版 2007年8月
CD1枚付き(10曲収録)
対象年齢の目安 8歳くらいから / ISBN 978-4-924710-59-7
美しく独創的な音と絵で、日本の童謡の世界を表現した童謡画集の第2作目。
【収録曲】浜辺の歌・夏は来ぬ・初恋・冬げしき・浜千鳥・七里ケ浜の哀歌・蛙の笛・あわて床屋・砂山・庭の千草
【あとがき】(全文)
私は、現在、七十六才。生まれたふるさとは、「ウサギ オイシ カノヤマー コブナ ツリシ カノカワー」の童謡にある『ふるさと』と同じ環境の中で、ほんとに冬は兎を追い、春になると小川で鮒を釣って遊んで育った。つましい生活であったが、毎日が楽しかった。
母は、タライ(洗濯桶)で洗濯して、洗い張り(着物を解いて板に貼って乾かして再び縫いあげること)をして、それから家業の和菓子屋の店に立つのだった。然も毎日八人もの大家族のご飯を薪で炊いて、スリ鉢で味噌すって、漬け物を漬けて、ご飯の支度を普通の事として働いていたのであるから驚異である。
母は年をとってからは、時間の隙き間をみては私を誘って裏山に野の花や山菜を採りに出かけるのが、楽しみのようにしていた。
「コーシロー(私の事)は山が明るいから安心だ。」と、よく言っていた。その声は今でも耳に残っている。
一九四五年は、日本の敗戦の年である。私は十五才、国を信じて疑わない、軍国少年であった。勝っているという戦果が毎日報じられ、新聞を見るのが楽しみであった。ところが、敗戦、である。軍国主義から一変して、民主国家になったのである。昨日まで軍国主義を唱えていた一部の先生の変わり身の速さに、少年(私)は、人も新聞も信じられなくなってしまった。その時、心を癒してくれたのが、ふるさとの山や川であった。ふるさとの厳しくも優しい母なる自然は、私に共生の悦びを与えてくれた。
私は、ここで強く言いたいのは、君は君らしく主体性を持って一つのものに流されないで生きる、ということである。
戦争は、日本中が軍国主義に流された結果である。ゲーム機と言っては流され、ケイタイと言っては流され、学歴と言えば流され、どこにも主体性も判断力も見られないのである。そして、世の中どんなに便利になっても、物が溢れても、幸せになれないのは、自然を不幸にしているからである。
私は懐古趣味で童謡画集を作ったのではなく、童謡のような共生の心を取り戻して欲しいと、燃える思いでこの本に取り組んだのである。(戸田幸四郎)
- 続けて、皆さんの感想を読む
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「夏は来ぬ」「初恋」など、どの絵もすばらしい!
「浜辺の歌」は海の色、魚や虹…。色々と想像が広がります。
プロローグの曲は、これからどんな歌が聴けるのかしらと、ワクワクします。
絵と歌とピアノが見事に調和していて、毎日楽しんでいます。
(70代 読者の声) -
以前から童謡と画集がセットになった絵本はないかと探していました。
なかなか満足するものがないと諦めていたところ、この絵本を見つけました。
この絵本のためにと収録された、素晴らしい歌とピアノ。そして大人が見ても魅了される美しい絵の数々。
子どもが成長した後も、宝となるような1冊だと思います。
(お子さんの年齢:3歳 / お母さまの声) -
姪の誕生日にと思い、早速贈りました。
今の子どもたちは童謡に触れる機会も少ないまま大きくなることも多いと思うので、いっぱい聴いて欲しいです。
(40代 読者の声)
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