とけいのえほん
作・絵 とだこうしろう
サイズ 27×20cm / 54ページ / 初版 1995年9月
対象年齢の目安 3歳くらいから / ISBN 978-4-924710-40-5
美しく描かれた、時刻から広がる様々なイメージとともに、“時間”というものが持つ豊かな情景や意味、そうしたものまで伝える、類のない1冊です。ですのでこの絵本には、お話もなければ、時計の針を回すようなしかけもありません。とても詩的なとけいの絵本です。私たちは、時計に初めて出会った子どもたちがまず第一に大切なのは、時の概念を大きく掴み感じることだと、考えています。
【午前5時】は水平線から現れる太陽と、緑のなかを飛んでいく1羽の白い鳥。爽やかな朝の訪れです。【午後5時】は海辺に佇み、夕陽に長い影をつくる人間と犬。太陽が沈む前の一時を、情緒豊かに伝えます。【午後11時】は星明かりの下を急ぐトラック。こうこうと光るライトが、夜道を照らします。こんな夜中でも働いている人はいるんですね。この「時間をイメージでとらえる」という感覚は、他の時計絵本では決して感じることができないものです。
“じかんを かってに とめたり のばしたり ちぢめたりは、 どんなひとでも できません。”
この絵本の最後にある作者のメッセージです。子どもでも大人でも、時間は誰にでも平等に与えられ、過ぎていきます。自分が生きる時間だけでなく、時計の進み方と同時に、世の中のいろいろな景色・生活を知ることは、それこそが時計を覚える本当の意味だと思うのです。
- 続けて、皆さんの感想を読む
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時計と絵だけで24時間が進むので、いろいろなことを想像したり、絵の細かい部分までじっくり眺めています。
「チクタク・・・チクタク・・・」と言いながら、ページをめくっています。
(お子さんの年齢:5歳 / お母さまの声) -
1年生になった息子が、自分だけ時計が読めないと言ってきたので、本屋さんでこの本を一緒に選びました。
午前と午後、分など時計のルールにもわかりやすく触れられ、本人も満足そうです。
時間の大切さも感じられる絵本だと思います。
(お子さんの年齢:7歳 / お母さまの声) -
まだ早いかなと思いましたが、自分の1日の出来事と重なる部分を感じているようです。
朝のお湯を沸かすシーン、日中のゆったりと流れる時間など、親が見てもホッとするような空気です。
(お子さんの年齢:2歳 / お母さまの声) -
なかなか「これだ」と思う時計の絵本に出会えずにいたところ、娘が自分で選びました。
タイトルの通り時計が主役になっていて、余計なものがないのが良いと思います。
1時間が60分ということも楽しく覚えられそうです。
一番最後の文章がまた素敵だなぁと感じました。
(お子さんの年齢:5歳 / お父さまの声) -
この絵本を購入した日、夕方の6時の情景が我が家のベランダから見た空の色と同じで、娘もなんとなく時間を理解したようです。
シンプルで見やすく、こちらの想像力でいろんな話しをしてあげられます。
(お子さんの年齢:3歳 / お母さまの声)
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